戸田とたちばなの深い関係。

− 長倉建治 さん −
vol.3

海越しに見える富士山。
なぜこの景色は、何度見てもこんなにも美しく、私たちの心に染み入ってくるんだろう。

(沼津市フォトライブラリーより)

戸田とタチバナ。
その関係を知るべく、歴史を紐解いてみると、やはりそれはこの雄大な富士山と切っても切れない関係にありました。古代文献のひとつとされている「秀真伝」(ホツマツタエ)には、常世の国の花であるタチバナを富士山に植えて、国を治めたと書かれています。


昔この  国常立尊の
八降子  木草お苞の
秀真国  東遥かに
波高く  立ち登る日の
国すべて 常世の花を
原見山  香具山となす


むかし、国常立尊の八降り子であるトホカミヱヒタメのうちのトの神は、
木草の種を土産として秀真国の天の原見山(富士山)に政事を執られた。
その秀真国の遥か東に、日が高波の上に見える日高見の国がある。
トの国は日高見の国の高皇産霊尊とともに国を治められ、
常世の国の花である香久橘を、天の原見山(富士山)にお植えになり、
この山を香具山と讃えた。

(鳥居礼「完訳 秀真伝」上巻より)


※引用文献
吉武利文(1998).「ものと人間の文化史 橘(たちばな)」64-65



諸口神社

戸田の御浜御崎海岸にある諸口神社。
その脇にも、凛とした佇まいのタチバナが植えられています。

この場所に、ヤマトタケルノミコトのために、自らの身を投げ荒海を静めた弟橘姫(おとたちばなひめ)が祀られているのも決して偶然ではないでしょう。



戸田タチバナを上賀茂神社に奉納した長倉さん。

「子供のころから、戸田にタチバナがあるということはもちろん知っていました。でも、正直なことを言うと、その魅力に気づいたのは、ここ10年くらいなんです。タチバナの魅力を知れば知るほど、自分が生まれた土地を誇らしく思えるんです」


「戸田タチバナの魅力を多くの人に知ってもらいたい。そして、戸田の素晴らしさに気づいてもらいたい。そのためには、まずは戸田に住む人たちに伝えることが重要だと思っています。そして、タチバナを通して、戸田が元気になってほしい。そういう想いで戸田タチバナを大切に育てています。」


時にはそんなタチバナで活性化に繋げることの難しさに思い悩んでしまうこともあると、長倉さんは話してくれました。

でも、そんな時こそタチバナの香りを。永遠に続くその香りは、神様がこの土地に最初にタチバナをもたらしてくれたその原点となる記憶を私たちに甦らせてくれる。大丈夫、きっとタチバナの香りはみんなを導いてくれるから。


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andre